VIDYA:価格が急ぐときだけ急ぐ移動平均線
VIDYAは、速度が変わる指数移動平均です。価格が一方向に強く動くと線はぴったりついていき、横ばいになるとほとんど止まります。だからチョッピーな相場でVIDYAは平らなまま、通常の平均線は揺れ続けます。
何を測るのか
通常の指数平均線は、新しい終値に向かって毎回決まった割合だけ動きます。VIDYAはその割合をバーごとに変えます。使うのはスロットルで、直近の動きのうちどれだけが同じ方向だったかを、動き全体と比べたものです。
計算式をことばで言うと、VIDYAは各バーで前回の値から出発し、新しい終値との差の一部だけ動きます。その一部とは、選んだ期間の通常の指数平均線の重み(二を期間に一を足した数で割ったもの)を、スロットルで小さくしたものです。スロットルは、ルックバック期間内の上昇幅と下落幅を比べます。上昇幅の合計から下落幅の合計を引いて符号を外し、両方の合計で割ります。上昇幅は終値が前のバーより上がった分、下落幅は下がった分です。すべてのバーが上がればスロットルは一で、VIDYAは普通の指数平均線と同じになります。上げと下げが打ち消し合えばスロットルはゼロ近くになり、線はほとんど動きません。
つまりVIDYAは、同じ期間の指数平均線より先を走ることはありません。遅くなるだけです。
実際の相場での振る舞い
ESのきれいなトレンドでは、線は短い指数平均線とほぼ同じくらい価格に密着します。レンジでは平らになります。そのためフィルターには向いていて、トリガーには向きません。新しいトレンドが始まるとき、スロットルは動きが進んでから開くので、VIDYAは遅れます。
ひとつのギャップの影響は思ったより小さくなります。ギャップは比率の中で一回の上昇か下落として数えられるだけで、連続した動きにはならないからです。
代表的な使い方(考え方)
線が傾いているときだけ取引する
VIDYAが上昇中は買いだけ、下降中は売りだけを許し、平らなときは様子を見ます。平らな区間こそ、トレンドルールが損を重ねるレンジです。
平らだった線が向きを変え始める
長く平らだったあとの最初のはっきりした傾きは見つけやすいです。難点はタイミングで、ブレイクアウトのバーではなく、その後に現れます。
進行中のトレンドでの押し目
線が動き出したら、線への押し目は他のトレンド平均線への押し目と同じように使えます。タッチが少し早く来るだけです。
ほかの系統のインジケーターとの組み合わせ
VIDYAはすでに自前のレンジフィルターを持っているので、チョピネス・インデックスやADXを足しても、多くは同じ問いを二度するだけです。私なら大きさを測るものと組み合わせます。ストップにはATR、傾きがスクイーズから始まったかを見るにはボリンジャーバンドです。
いちばん近い親戚はKAMAです。重ねるのではなく、互いに比べて検証してください。
AlphaPrimeでの扱い
AlphaPrimeはVIDYAを標準搭載のジェネレーター系統として提供していません。カスタム指標として追加できます。AIに追加を頼むと、インストール後に「カスタム指標」の下に表示され、戦略ジェネレーターがエントリー、エグジット、フィルターのルールとして使えるようになります。
まずスロットルの期間を平均線の期間と同じにし、KAMAを同じ実行に入れて、二本の適応型の線を同じバーで競わせてください。AlphaPrimeには七日間の無料トライアルがあります。
よくある質問
VIDYAはKAMAと同じですか?
違います。どちらも横ばい相場で遅くなりますが、VIDYAは上昇幅と下落幅のバランスで速度を決め、KAMAは価格が進んだ距離とさまよった距離を比べます。
VIDYAの期間はいくつにすべきですか?
正解はありません。ジェネレーターに期間の範囲を試させ、アウトオブサンプルでも通用するものを残してください。
VIDYAが完全に平らになるのはなぜですか?
期間内の上げと下げが打ち消し合い、スロットルがゼロ近くまで下がるからです。平らとは、直近の動きに方向がなかったということです。

