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DeMarker(DeM):トム・デマークが高値と安値から組み立てたオシレーター

DeMarkerはDeMとも略される、トム・デマーク(Tom DeMark)のモメンタム系オシレーターで、終値ではなく高値と安値を見ます。各足で、価格が前の足の高値を上回ったか、前の足の安値を下回ったかを確かめ、その二つの押し上げと押し下げの釣り合いを、上下に限りのあるスケール上の一本のラインにします。このページでは、終値ベースのオシレーターとの違い、レンジが広がると素早く反応する理由、トレーダーが読み違えやすい点、そして戦略ジェネレーターがあなた自身の銘柄でどう検証できるかを説明します。

系統モメンタム
別名DeM、デマーカー
出力の形上下限と中心線のあるオシレーター終値ではなく高値と安値から計算
AlphaPrimeでは標準搭載のジェネレーター系統レベル、ゾーン、パターン、構成要素の条件

何を測るのか

DeMarkerは、足ごとの「伸び」をもとにしたモメンタム系オシレーターです。各足がどこで引けたかではなく、前の足からどれだけ外へ踏み出したかを追います。上なら前の足の高値を超えた分、下なら前の足の安値を割った分です。買い方が高値を切り上げ続け、売り方が安値をほとんど押し下げないとき、ラインはパネルの上端へ向かい、逆の状況では下端へ沈みます。ちょうど真ん中が釣り合いの点で、ルックバック期間の上への伸びと下への伸びがほぼ等しいことを示します。

トム・デマークは著書『The New Science of Technical Analysis』でこの指標を紹介しており、多くのチャートソフトが採用する公開版は四つの段階で計算します。まず各足で、当日の高値と前日の高値を比べ、当日の方が高ければその差を上への伸びとして記録し、そうでなければその側には何も加えません。次に同じやり方で当日と前日の安値を比べ、当日の方が安ければその差を下への伸びとして記録します。続いて、ルックバック期間の上への伸びを平均し、同じ期間の下への伸びも別に平均します。最後に、上への伸びの平均を、二つの平均の合計で割ります。分子が常に分母の一部なので、結果が有界のスケールから外れることはありません。高値だけが伸びていれば上端、安値だけなら下端、両方が釣り合えば中央に来ます。同じラインをより大きなスケールに引き伸ばして表示するチャートソフトもありますが、形も読み方も変わりません。

この指標の核心はRSIとの違いです。RSIは上げて引けた分と下げて引けた分を平均するので、各足がどこで落ち着いたかしか見ていません。DeMarkerは各足がどこまで探ったかを見ます。前の高値を突き抜けてから前の足の終値を下回って引けた足は、DeMarkerでは上への伸びとして数えられますが、RSIでは下落として扱われます。これがDeMarkerがレンジ拡大に反応する理由です。静かなもみ合いから相場が抜け出すと、新しい足は前の足を次第に大きく超えるようになり、その大きな伸びが数本のうちに平均を支配します。終値が追いつく前であることも少なくありません。収縮の局面では様子が違います。高値も安値も前の足の範囲に収まるはらみ足は、どちらの側にも新しい伸びを加えないため、相場が煮詰まっている間の読みは、新しい値動きよりも古い足が期間から外れていくことで動きます。包み足は両側に同時に加わるため、その影響はどちらの側により大きく伸びたかで決まります。

概念図(実際の市場データではありません)

実際の相場での振る舞い

レンジ相場では、DeMarkerは価格が上下の端を試すたびに上側ゾーンと下側ゾーンの間を行き来します。終値ではなく高値と安値の伸びに反応するため、端を試したその足でゾーンに入ることがよくあります。トレンド相場では振る舞いが変わります。ほとんどの足が高値を更新し、安値の切り下げがたまにしか出ない相場では、ラインが長い間上側ゾーンにとどまることがあります。はらみ足だけでできた押し目や、前の安値をわずかに割るだけの押し目は、下の側にほとんど跡を残しません。

最も大きな選択はルックバック期間です。短い期間はわずかな数の伸びしか平均しないので、一本の大きな足でラインが一方のゾーンから他方へ振れます。速い反面ノイズが多く、極端な領域に一瞬触れて何も続かない場面が増えます。長い期間は一本ごとの影響を薄めるので、ラインはゆっくり動き、ゾーンに入る回数も減ります。タイミングを計るよりも、フィルターや相場状態の判断に向いています。ゾーンのしきい値も同じトレードオフで、中心に近く置けばシグナルは多く、離して置けば少なく遅くなります。一枚のチャートを目で見て決めるより、トレンド局面とレンジ局面で複数の設定を比べ、選ぶのに使っていないデータでも似た振る舞いを保つものを残す方が堅実です。

よくある誤用は、買われ過ぎや売られ過ぎの読みをすべて反転のサインとして扱うことです。強いトレンドでは高値更新が続くためラインが上端に張り付き、上側ゾーンに入るたびに売ることは、トレンドを形づくっている伸びそのものに逆らうことになります。そうした場面で役に立つのは、ラインがゾーンを離れたあと戻れないかどうか、あるいは価格が新高値をつけたのにDeMarkerの山が低くなっているかどうかを見ることです。そのずれは上への伸びが縮んでいることを示します。もう一つの目立たない誤りは、同じくデマークの名を冠したシーケンシャル系のカウント手法と混同することです。それらは独自の考え方を持つ別の分析手法であり、DeMarkerは連続的なオシレーターです。その読みは、そうしたカウントがどこまで進んでいるかとは関係がありません。

代表的な使い方(考え方)

ゾーン離脱

極端な領域から抜けるところを狙う

ラインが上側や下側のゾーンに入った時点で動くのではなく、そこから抜け出すのを待ちます。DeMarkerが下側ゾーンから上に抜けたら買いのアイデア、上側ゾーンから下に抜けたら売りのアイデアとします。レンジ相場では価格が端を試したあとの転換をとらえやすく、待つ一手間がゾーンに触れただけの足をふるい落とします。

ブレイク確認

ブレイクアウトに伸びがあるかを確かめる

価格がもみ合いを抜けたとき、DeMarkerがブレイクの方向へ中心線を越えることを条件にします。本物の拡大は、高値が前の高値を次第に大きく上回る形で現れます。DeMarkerが平らなままのブレイクアウトは、足が実際には伸びていないことを意味します。

ダイバージェンス

新高値なのに伸びが小さい

価格は高値を更新したのに、DeMarkerの山は前より低い。ライン自体が伸びから作られているので、この形は新高値が前の足を超える力をあまり伴わずにつけられたことを示します。トレーダーは中心線の下抜けなどの確認を待ってから動くのが一般的です。

ほかの系統のインジケーターとの組み合わせ

DeMarkerはどちらの側がより伸びているかを示しますが、相場がトレンドかどうかは示しません。ADXと組み合わせると、その欠けている文脈を補えます。トレンドの強さが高いときは上側ゾーンの読みを確認として扱って押し目を探し、低いときはゾーン離脱のシグナルにタイミングを任せます。

DeMarkerは比率なので、伸びの釣り合いは示しても、伸びの大きさは示しません。小さな伸びしかない静かな相場が、荒い相場と同じ値を示すこともあります。ATRはその穴を埋めます。一本の足がふつう何ポイント動くかがわかるので、DeMarkerでのエントリーの損切り幅を決める助けになり、本物の拡大と閑散相場での高い読みを見分けられます。ブレイクアウトでは、同じく高値と安値から作られるドンチャンチャネルが自然な照合相手になります。

ウィリアムズ%Rやストキャスティクスのような終値の位置を見るオシレーターと重ねても、終値と高安が一緒に動く穏やかな相場ではあまり得るものがありません。情報が増えるのは両者の意見が分かれたときです。DeMarkerが高いのに終値ベースの読みが中くらいなら、足は高く探りながらレンジ内に押し戻されて引けており、伸びが売りに吸収されていることを示します。

AlphaPrimeでの扱い

AlphaPrimeでは、DeMarkerは戦略ジェネレーターが使う標準搭載のモメンタム系統のひとつで、条件ブロックのカタログに独自の名前で並んでいます。調整できる入力は指標期間です。ラインをレベルと比べる条件にはさらにしきい値があり、どの条件にも現在足のシフトがあるため、数本前の足の値を読むルールも作れます。

基本の条件はメインのラインに働きます。DeMarkerがレベルを上抜け・レベルを下抜け、レベルより上・レベルより下、上昇中・下降中、上向きに転換・下向きに転換です。ゾーンをもとにしたパターン条件もあります。買われ過ぎ圏に滞在・売られ過ぎ圏に滞在、上向きフェイラースイング・下向きフェイラースイング、売られ過ぎ圏で上向きに反転・買われ過ぎ圏で下向きに反転、ダブルボトム上向きダイバージェンス・ダブルトップ下向きダイバージェンスです。計算の構成要素も使えます。DeMarker平均上昇幅、DeMarker平均下落幅、そして上昇幅と下落幅の差と合計で、それぞれ上昇中か下降中かを条件にできます。

候補はGPUで並列にバックテストされ、アウトオブサンプルで検証されます。アウトオブサンプル検証のしきい値を設定すれば、ある一時期の履歴にたまたま合っただけのDeMarkerのルールをふるい落とせます。検証を通った組み合わせは、取引プラットフォーム向けの戦略コードとして書き出し、シミュレーションでさらに検証できます。

よくある質問

DeMarkerとRSIの違いは?

RSIは上げて引けた分と下げて引けた分を比べるので、足がどこで引けたかを映します。DeMarkerは各足の高値を前の高値と、安値を前の安値と比べるので、足がどこまで届いたかを映します。レンジが広がるときは早めに反応しやすく、上に突き出してから押し戻された足では、両者の見方が分かれることもあります。

DeMarkerのパラメーター設定はどうすればいい?

決まった正解はありません。期間が短いと数本の大きな足で動き、極端な領域によく出入りします。長いと落ち着いていて、向きを変えるのも遅くなります。トレンド局面とレンジ局面で複数の期間とゾーンのしきい値を試し、一枚のチャートで一番よく見える設定ではなく、アウトオブサンプルでも振る舞いが変わらない設定を残しましょう。

DeMarkerとデマークのシーケンシャルは同じもの?

違います。トム・デマークはいくつもの手法を作りました。DeMarkerは高値と安値の伸びから作られる連続的なオシレーターで、シーケンシャル系のカウントは独自の考え方を持つ別の手法です。片方の読みは、もう片方の状態を何も語りません。